美術×建築
まちあるきワークショップ2022
天王洲を読み解く
About
まちあるきワークショップ2022について
早稲田大学「都市と美術研究所」では、2018年以来、研究所員と学生による「まちあるきワークショップ」を開催している。
毎年、アートを活用したまちづくりに取り組んでいる地区を選定し、研究所員の多様なバックグラウンドを活かして、多角的な観点から調査分析を実施し、その成果を報告書等に纏めて研究成果として蓄積してきた。
2022年度は、長年にわたって「アートのまちづくり」を進めている天王洲地区(東京都品川区)を分析対象地とした。
天王洲は、もともと品川浦の海中に土砂が堆積してできた「洲」を埋め立てて造成された土地である。
第二次大戦終了ごろまでに埋立てが完了し、その後は長い間、工場、流通倉庫、油槽タンクなどが建ち並んでいたが、その後、東京モノレールの新駅誘致計画を景気として、業務市街地へと生まれ変わった。
ほぼ更地から新しい都市を開発するにあたって、希薄な地域文脈のなかで多数の地権者が集まって一体感のあるまちなみを作り上げるために、地区を特徴付ける最重要のキーワードとして「アート」が位置づけられ、まち開き以来一貫して、「アートのまちづくり」が進められてきた。また、特に近年は、ユニークなギャラリーを次々と開設するなど、取り組みを加速させている。
私たちの研究チームは、2022年10月9日に全員で現地調査を実施したのを皮切りに、その後は「街並み・暮らし」「歴史・建築・地形」「美術館・パブリックアート・デザイン」「天王洲の表象」の4研究グループに分かれて、それぞれの観点から、調査・分析を進めた。
2023年3月2日には、早稲田大学理工学術院キャンパスにおいて、天王洲地区のまちづくり・アート関係者をゲストに招いて、研究成果報告会を実施した。
当ホームページでは、各研究グループの調査研究成果の概要を掲載している。尚、天王洲地区の調査は、来年度も引き続き実施し、各研究テーマを深掘りしていく予定である。
(山村崇)